カテゴリー: お知らせ

  • 第6回ヒカクテキ古典部(鬼話詰め合わせ)のお誘い

    11月17日 日曜日 夜7時半より
    「鬼話詰め合わせ」

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    前回の「雨月物語」(吉備津の釜)の回を受けて、鬼です。

    吉備津の釜、橋姫、黒塚、道成寺、葵上、鉄輪、大江山の酒呑童子には触れたので、何にしようかなあ。

    と思っていたけど、「女の鬼ばかりだけど、男の鬼は?」という前回の疑問を受けて、とりあえず「雨月物語」の「青頭巾」には触れておこうかと。

    美しい上田秋成の文章を、おそらく部分的になるけどみなさんとまた味わおうと思います。

    そして、今昔物語からもうひとつ、男が鬼になる生々しい話をざっと。

    そして、まだまだあるよ!

    「雨月物語」「今昔物語」「長谷雄草紙」その他の、有名どころの鬼話をテーマテーマ別にパッケージ!

    時間がたぶんないので、ざざっと紹介。

    お楽しみに!(担当 南部)

    準備はなくてもいいんですけど、もしもお時間あったら、以下のリンクから「青頭巾」の現代文だけさっと読んでいただくとよろしいかと。


    日本古典文学摘集 雨月物語 巻之五 青頭巾 現代語訳

    上でもいいし、こちらでも、お好きな方で結構です。

    青頭巾(一):雨月物語

    青頭巾(二):雨月物語

    青頭巾(三):雨月物語

    青頭巾(四):雨月物語

    zoomはこちら↓

    https://us06web.zoom.us/j/6751269405?pwd=gQxriXgpkKDR2t9dhQsQkQYPzEdIeI.1&omn=81989881379

    ミーティング ID: 675 126 9405
    パスコード: hikakuteki

  • 第16回ヒカクテキ読書会「正欲」報告その1

    1013日日曜日夜7時半より

    朝井リョウ「正欲」

     

    今回は、選者のSaさんが、全体を回してくださいました。

    まずは各自の感想から。

    ただし、今回は、みなさん和やかにかつ活発に発言されて、同時にあいずちを打ったりなどされていたので、もっとがやがやした楽しい雰囲気でした。

     

    Nam(わたしです)

    これって結構ややこしいよ(笑)

    これって自分が、もしくはみんながね、どの立ち位置にいるかでたぶん違ってくるんだよ、この感想って。だからそれがバレちゃうよねって。だからどうしたもんかと(笑)それがひとつ。

     

    あと、田吉だっけ、佐々木の上司、あれが滅茶苦茶イヤな奴じゃん。正義を振りかざした体制側、大人数側の…。だけどね、これね、まあ、この朝井(リョウ)さんがどういう立ち位置にいて、どういうつもりで書いているのかは分からないけど、多数派だと言われている人たちが、いかに捻じれているか、っていうものを印象付ける形で書いてあるんだよね…。

    だから読んでると、「少数派がむしろ正で、多数派が負」、そう思うように書かれているから、うっかり引きずられそうになって、「少数派は単に水が好きだっただけなのに、こんな目に会っちゃって可哀そう」…って…思っちゃうんだけれども、これが、この人たちが、水が好きっていう設定であったから、こういう感想になるんであって、これが別のものを自分の欲望としている人たちであったとしたら、果たしてどうなるかな?と思った。

     

    例えば、水に性的欲望を感じるなんて大抵の人が聞いてもそんなに嫌悪感持たないじゃない?まあ、例えば私が一般人だとして…聞いてもむしろ爽やかな(笑)そんなに気持ち悪さを感じ難いんだけど、それが別のものだったら、果たしてこういう構造が成り立つのかな?と思うんだよ。

    例えば何か生き物のの四肢を切断するのが好きだとか、虫を殺すのが好きだとかとなった時に、じゃあそれは、人に迷惑をかけるかかけないかでいえば、別に大多数の人に迷惑をかけないと思うんだけれども、果たしてそういうものでしか性的な欲望を感じられないから世の中からはじき出されて孤独にさいなまれてその人が生きていたとして、果たして同情できるのか?

    と思ったね。これに関しては。

    ちょっとさ(笑)水が好きっていうのは、ちょっとズルくない?って思った。

    もっとさ、いっぱいあるでしょう!Queerな人たちは!(笑)

     

    でさ、本当に、多様化多様化って、いますごくテレビとかでも朝から言ってるけど、私は結構さ…ちょっと…そんなノンキに言ってるけど大丈夫?(笑)ってとこがあって、自分たちが大多数に立ってると思うからノンキに多様化多様化って、「あなたたちのことも受け入れましょう!」みたいな感じでやってるけど、潜在的な数って見えない訳だから、さあそんなことをやってて蓋を開けてみたら、自分たちが少数派になってる…って可能性だってあるんだよね。だから、甘い感じで「全ての人たちに自由と平等を!」ってやってると、ひっくり返される…かもしれないってことは考えてないのかしら?っていつも思う(笑)

     

    で、後は、この間ヨーロッパのある国から帰ってきた知人の話しによるとヨーロッパもカナダもポリコレの嵐で酷いんだよ…って。

    その人は現地で色々話を聞いて、日本に帰ってから色々と調べてびっくりしたらしくて、つまり、少数派の人たちに優先的に権利を与えすぎちゃって、逆転現象が起きている、差別がうまれてると。

    例えば少数派の人たちには優先的に仕事や高い賃金を保証しなければならない。じゃあ、多数派にはどうかといえば、それはない、それどころか、そのことに反対すると社会的に弾圧されたり仕事を失ったりする。もしくはそういうことに反対の立場を表明するだけで社会的に弾圧されちゃう。そういう逆の差別が生まれている。あまりに極端だ…と。

    他にも色々と聞いたんだけど、常々薄々は感じていたんだけど、そこまでいってしまっているのかと。

    だから、この本自体は、とっても…なんだろう、感化されやすい…「酷い目にあって酷い話よね…ちょっと意識変えなきゃね…」と思わせるようなものではあるけれども、でも、あまりにも含まれている問題が多すぎて、これだけで感化されるにはちょっと「危険な題材だな」と私は思ってます…っていう。

    長くなりました。

     

    Saさん

    今の話で思ったのが、もう一人でてくる一緒に逮捕された人。学校の先生。この人はきっと「水が好き」じゃないんだよね?

     

    Nam

    でも、湖の写真とかもいっぱい持ってたんだよね?

     

    Hさん、Njさん

    小児ポルノとかいっぱい持ってたんだよね。

     

    Saさん

    そう、で、この人だけ、背景が全然描かれてないじゃない?例えば、小児ポルノだと少数派がひどく攻撃される訳だよね。水はそんなに攻撃されないかもしれないけど、同じ少数派かもしれない人たちで。で、この人だけなんにも描かれてないのって、意図があるのかなって、ちょっと思ったりしました。

     

    Kさん

    私はこの人のデビューした時の「部活やめるってよ」を、中学の時に、図書室の先生から勧められて読んでみて挫折したんですよ。あんま合わねえわ、と思って。これが2冊目なんですけど、この作家で読むのが。

    なんか最初…やっぱり苦手な作家やな…って思って読んだせいか、登場人物みんなめんどくさいな、って思ってたんですよねえ…。

    なんか真面目というか…すごい自分の人生に真摯に向き合ってる感じがして、私が多人数側だからかもしれないですけど、そういう恋愛のなんとかかんとかって、本当に人生の「一要素」でしかないみたいな感じで思っちゃって、そんな生き辛さを感じるほどのもんなんかねえ…ってのは思ってて。

    この作品中にも出てきてましたけど、そういう「少数派である自分」みたいなのを拠り所にしているような感じもして、なんかしょうもないことで悩んでるんだな…ってことは思ったりしました。

     

    ただ、最初に読んだ時よりは、それなりに自分の「受け入れる幅」が広がってる感じがして、けっこう作品としては面白くも読めましたねえ…。

     

    でも、確かに「水に」っていうのは、ちょっと逃げた感じがしてて…っていうのと、もし身近にそういう人がいたらどう思うのかってことを考えた時に、結局それ以外の要素が重要にってなってくると思って、自分が他で好きな要素がある人とか、仲良くしたい人とかだったら、別に水に興奮しようと、もっとえぐい性癖があろうと、そんなにイヤに思わないと思うんですよ。

    ただ、普通に嫌いな人がそういう性癖をもっていたら「水に興奮するとか頭おかしいわ」って思っちゃうような気はしますね。

    だから、私にとっては、あまり刺さらなかったっていったらあれですけど、「題材の重みが違った」って感じがなんかしてますね。

     

    Nam

    まさに「立ち位置」だね。

     

    Kさん

    ですね。だから、「こういうのが大事な人もいるんだな」って感じで読みました。

     

    Nam

    ね、少数派の人が読んだらどうなのかな?っていうね。

     

    Kさん

    そうですね。でも、「こんなので理解されたくない」って思うんじゃないですか?

     

    Nam

    朝井さんはどういう立ち位置なんだろう?

     

    Kさん

    ホントに疑問投げかけるだけで終わった、って感じがするっていうか。解説にも書いてましたけど、けっこう読み手によって解釈がそれぞれっていうか、結論もださずに終わったというか。

     

    Nam

    なんか、本人(朝井リョウさん)が少数派な感じはしないよね?これ。

     

    Saさん

    朝井さん自身はたぶん少数派じゃないよ…メンドクサイ人なんだろうなとは思うんだけど(笑)

     

    Kさん

    それ、めっちゃそう思います(笑)

     

    Saさん

    けっこうテレビとかでてるじゃない?割とでてて、なんかすごいめんどくさそうな人だなって思う。

     

    Kさん

    色々考える人なんでしょうね?って感じ(笑)

     

    Hさん

    この「正しい欲」っていうタイトルがついているから、水なら人間の欲望としてオッケーだけど、人を殺してみたいとか、犬や猫を切断してみたいというのは、タイトルにある「正欲」には入るのか入らないのか分からないけど、人間の欲望のオッケーっていわれるのが、どこまでなのかっていうのも、タイトルにひとつ、少しあるのかなあ…とか思ったり。

    だから、最後にでてくる児童ポルノみたいな、あっちはもちろん法的にもバツだけれども、子供が水遊びしてるところを見て楽しむのはオッケーなのか…だから、その難しい…多様性を認めつつも、何でもいいのかって言ったら、何でも全てどんなことでも社会は受け入れていい訳じゃもちろんない…そこがひとつタイトルに何となく少しだけ込められてるのかなとか、ちょっと思ったりしたけど。

     

    Saさん

    確かに私も「正欲」ってタイトルは上手だなって。うまいタイトルかな、って思いました。

    で、「食欲と睡眠欲は裏切らない」って。

     

    Nam

    で、それを言った二人が関係性を持つことで、若干の安定と幸せを手に出来る。

    「いなくならないから」ってお互いに言って。

     

    Saさん

    「いなくならないから」っていうのが決め台詞。

     

    Kさん

    社会的には、結局、社会的に受け入れられる形の「変態」に貶められた訳じゃないですか、最終的には。でも、その中でも、理解者みたいなのがいたっていうのがひとつ「救い」かなとは思ってて。

    結局、「社会に受け入れられることと、仲間を見つけることはまた別」みたいな感じで…あんまり多様性とか議論しても…って思いましたけどね。

    正しいから水が好きになるとか、正しいから異性を好きになるとか、そういう話じゃなくて、生まれ持ったものと、それをどこで見せるかっていう話でしかないから…んー…結局、最終捕まったとはいえ、正しいというか、一番こう当たり障りのない…。

     

    Saさん

    世間が納得する?

     

    Kさん

    そうそう、そういう道を選べたんじゃないかな?っていうのは、思いますよね。

    理解者が得られただけ良かったんじゃない?っていうのは思いました。

     

    Saさん

    Njくんはどうですか?



    Njさん

    自分がどの立ち位置にいるのかが皆に分かってしまうのがどうかなあ、心配だなあ、っていうのと。

     

    みんな

    (笑)

     

    Njさん

    自分の性癖がバレるんじゃないかなあ、っていうのが(笑)それは冗談だけど。

    それで、僕はとても面白かった。ここまでは考えてなかったな、というか、多様性が片方でいわれてて、そこから漏れていくような人たち、そういう立場の人達もやっぱりいるんだな…っていう。

     

    で、どっちかっていうと僕なんかは、多様性多様性って口では言いながらも、ちょっと胡散臭い立場にいる。例えば学校現場とかでは、そういう立場に立っちゃってるんですよね。で、そこまで理解してないなって思うし、生徒たちもそこまで理解してないんだろうなって。そのへんの、何ていうか未熟さをちょっと教えてもらったかなっていうのはあるよね。

     

    で、一方で、今Namさんから聞いた話からは、そんなに多様性が大手をふってやりたい放題やってるのかなって、それも何かちょっと気持ち悪いなって。

    で、この小説に関しては、自分にとってはその辺を整理してくれたかなあ…っていうような感じはしますよね。

     

    後、「水」?水に興奮するっていうのは、あれはやっぱりKさんが言うように、逃げてるなと思うし、水に興奮するからっていって、登場人物が悩むじゃない?「生きていけない」みたいなさ…「そんな悩むこたねえだろう!」と思ったりした。

     

    Kさん

    お風呂場で遊べばいいのに!…ってずっと思ってた(笑)

     

    Njさん

    もうあの、「水」はちょっと比喩として「水」っていう、動物虐待とかだったらちょっともう書けないな、っていう、すごい嫌悪感持っちゃうので、なかなか入り込めないっていうところも、たぶん作者は分かってわざとやってるのかな、っていう…そこまで計算してるかな、っていう気もしないでもない。

     

    Saさん

    動物虐待とかだったら、そっちの方が強烈過ぎて、そっちに引きずられそうな気がするんだよね。水だから、他の色々なことを考えることが出来るような気もちょっとする。

     

    Njさん

    そうそう、水だから色々考えることが出来るんだけど、だけどあの主人公たちの絶望ぶりはちょっとちぐはぐになっちゃう、水でそこまでしなくていいだろうみたいな。まあ、でも自分は面白かった。

    なんだっけ、あの「桐島、部活やめるってよ」?あれは読んでないけど映画を見て、とても面白かったんだよ。あれ、桐島が全然でてこない。その周りの様子ばっかりでてきて。

     

    Saさん

    小説もそうだったよね?

     

    Njさん

    面白いなあって思って、これも映画になってるので、まあ、見てみたらいいかなあって。

    まあ、そんなところで、面白かったですよ。

     

    Hさん

    1つ思ったのは、夏月ってでてくるよね、あの人が心の中でつぶやいてるセリフが、親に対してだったり、向かいの雑貨店の人に対してだったり、同窓会でだったり、心の中でのつぶやきが沢山でてくるんだけど、夏月はマイノリティーの中にいるんだろうけど、けっこうマジョリティー側を、けっこうな上から目線で叩いてるなっていうか、見てるな、っていうのはすごく感じる。

     

    Kさん

    そう思った。

     

    Hさん

    例えば、同居している親に対しても、親は「今のこんな時代だから、別に結婚したり子供を生んだりすることだけが幸せじゃない」って考え改めて認めようとしているのに、それに対してもすごく揚げ足取るような感じで、ま、批判的というか…「未だに実家で生活してるんでしょ!あなたは」って言いたいんだよね。なんか、家を出てね、経済的にも精神的にも自立してなくって、親元で生活していて、ご飯も作ってもらってます…だけど家の手伝いをしてる風は、父親のことは「食器の後片付けもしない」とか言ってるけど、夏月もそんなにしてる風は小説の中では無くて、結構上から目線で…まあ、これを言うとね、私がマジョリティー側にいるからじゃない?って言われるかもしれないけど、そうじゃなくて普通に考えて、職場でもお向かいの雑貨店の近寄ってくる女の人を、口には出さないけど心の中では散々こき下ろしているよね?で、表面的には出さずに、最低限の受け答えだけして、察して欲しいみたいな…。

    最低限の受け答えで、私はあなたと仲良くしていないのよって、察して欲しいのかどうか分かんないけど、それじゃあ夏月のことも相手は分からないだろうなっていう気はすごく、夏月に関してはしたかなあ…って思って。

     

    だから、ちょっとその性癖が水で他の人とは違うってところで生き辛さや困難を抱えているとは思うんだけど、ややそこに溺れてる…って言ったらちょっと厳しい言い方になるかもしれないけど、少し感じたかな。

     

    自分がこんな年齢になってるから言えるのかもしれないけど、人生の全てが性癖ではないような気もするんだよね。仕事もあったり、趣味もあったり、何か他に、打ち込める、夢中になれる好きなものがあったりとか、恋愛関係じゃないけど、あの人とはちょっと仲良くなってみたいなとか思う人がいるかもしれないし、なんかそれ一色…だけで、人生っていうか生活を塗り固めてしまうのは逆にもったいないっていうか、ちょっと思いつめすぎ。

    当事者じゃないからいえるんだよ、っていわれるとちょっと何とも言えないけど、他の要素も人生にはあるのかな、ただ、二十代だから、そうなっても仕方がないのかな…分かるような気もするし…。

     

    Kさん

    分からん、私には分からん(笑)

     

    Njさん

    二十代(笑)

     

    Hさん

    逆に、水を見てると気持ちいいって訳だよね?それってそんなに違和感感じないっていうか、もしも近くにね?「噴水の水が好きなんだよねえ」とか「ホースで庭に水まきをするのが色んな線を描いて好きなんだよね、けっこう私、気持ちいいんだよね」っていう人がいたとしても、別に不思議はない。「へえ~そうだね」くらいに…。

    ま、それがね、異性には関心が全く無いって言われたとしても、この本が出版されたのと今の時代ではこの僅かの年数の間にまた時代がかなり変わってるせいもあるんだろうけど、そんなにびっくりして、邪魔者扱いじゃないけど異端者的な目を向ける気には全くなれない…かなと思った。

     

    例えばね、火を見て興奮するって人もやっぱりいるだろうし、他の物、例えば色んな…シャボン玉とか?木立の騒めいてる様子とか、何か…それで気持ちいいんだよねって言うのが、そんなに異端児かなって。

    ま、それにプラス、異性にそういう感情が全くわかないとか、人に対して全くない…むしろ嫌悪感を感じるところまでいくと、当事者としては生き辛かったり、困ったりはする…でしょうね…。

    嫌悪感が人に対してあるっていうところでは、そうなのかなあ。

     

    後ね、もうひとつ思ったのは、(ここからはプライベートな話なので詳しいところは割愛しますが、この本を読んで映画を見て、今まで言動が解せないと思っていた人のことを、自分とは違う感覚の人が存在するのだなと思って、解せないという感覚は無くなったというお話)

     

    Saさん

    やっぱり…水に逃げてる(笑)

     

    Nam

    みんな手厳しい(笑)

     

    Kさん

    でも、水にしたから最後のオチもついたような感じですよね?

     

    Haさん

    (遅れてきたので)最初の方の皆さんの話が聞けなくてすみません。

    これ、情報量が多すぎて、ものすごい頭の中が、眠りながら読んだりしてたので、取り合えず読みました!みたいな感じなんですけど、ちょっといっぱい質問があってですね、51日って何をした日ですか?

     

    みんな

    令和が始まった日。

     

    Haさん

    なるほど~。

    で、この初っ端?これは何ですかね?

    「ここまで読んだら、これを私に返してください。そのあとのことは、実際の声で、直接伝えようと思います。」

    これは、誰に対して誰が言ってるんですかね?

     

    Hさん

    佐々木が携帯に書いた文章を、夏月に渡したよね。

     

    Haさん

    じゃあ、これを書いたのは、捕まる前だったんですかね、ですよね?

    で、この佐々木さんの携帯に残っていた写真、この写真ってなんですかね?

    水で遊んでいた写真が残ってたって、最後の方で。

     

    Nam

    会社の知り合いの子供と、公園で会ってしまって、その子達に水鉄砲とかを与えて、遊んでるその子達を撮った写真じゃない?

     

    Haさん

    これ、なんで撮ったんでしょうね?

    子供の写真を撮る必要はなかったんじゃないかというか、むしろこの人たちは子供が入ったら嫌なんじゃないでしょうかね?

     

    Nam

    ひとりゲイでショタの人がいるじゃない?その人が写真を残りの二人に送って履歴を消してなかったから、芋づる式に残りの二人も捕まってるんだよね。だから、そのゲイの人が撮ったものなのか、本人が撮ったものなのか、そこは判然とはしてないんだけど。

     

    Haさん

    なるほど。

    なんか、皆さんと同じような意見かもしれない、ちょっと違うかもしれないんですけど、考え過ぎじゃない?って感じ。

    みんなが同じようにマイノリティーじゃないですかね?個性って言ったら個性なんですけど、持ってるじゃないですか…みんなそれぞれ。犯罪を起こしたらいけないけど、犯罪を犯さなければ、みんな持ってる話?心で何を思ったとしても、罪には問われないので、「火をつけたい」と思っても火をつけなければいい話で、罪には問われない。

    で、考え過ぎじゃない?その自分の考えをものすごく固執してるから生き難いだけで、あ、未熟なんだな…って気がすごくしていて。

    「子供じゃないんだから、もうちょっとしっかりしようよ」って思って。

     

    Kさん

    そう、それなんですよ。

     

    Hさん

    私もどっちかといったらそういう意見。

     

    Haさん

    右近さんが嫌な男だなって。たぶんあの奥さんと付き合ってる?

    で、あの男の子の末恐ろしさを。怖いなあって。

     

    Saさん、Hさん

    ユーチューバーの?

     

    Kさん

    最近の子供はさかしいから。

     

    Haさん

    そう、子供の残酷さ。

    「お父さんは分かってくれないけど、右近君は分かってくれるよね。お母さんどうも付き合ってるっぽいよね?」な感じを知ってる顔じゃないですかね?

     

    Nam

    右近君の手をぎゅっと握って、ちらっとお父さんを振り向くんだよね。

    にやっと笑って(笑)

     

    Haさん

    にやっと笑ってるんでしょ?

    右近君も付き合ってる感じで、奥さんの方ももう諦めてる感じでもう付き合ってます、みたいな…この検事さん?

    「あなたの人生の方がよっぽど大変よ?」って。

     

    みんな

    (笑)

     

    Haさん

    で、「ちょっとみんなしっかりしようよ!」って読みました(笑)

     

    Nam

    最後のとこでさ、もう自分のことでいっぱいいっぱいで、取り調べの時に奥さんの言葉がもうどんどん被ってきちゃうとこがさ(笑)

     

    Haさん

    そう、「あなたが一番大変よ?今」(笑)

    あなたは自分の考えに凝り固まってるし、これ、あなたは大変だけど、他の人はまだ軽いんじゃね?と思って。

    で、末恐ろしいあの息子。「この子どうなるんだろう?」って思って読みました。

     

    Nam

    これさ、横から申しわけないだけど、検事がさ、取り調べというか、参考に夏月の話を聞くところで、奥さんの言葉が被ってくる部分、ここめっちゃ上手いんだよ。

    あいだあいだに、夏月の言葉と奥さんの言葉がオーバーラップしてくる。そのオーバーラップのさせ方がとっても上手くって、例えば(該当部分を読み上げる)

    これさ、二人のセリフを不自然なくらいにばらけさせて並べているの。読んでて誰が言った言葉でどう繋がっているのか混乱するくらいにばらけさせている。ぷかぷか浮かべてるんだよね、二人の言葉を。

    そうすることで、この検事の頭の中の混乱っぷりをすごく表してて、すごい上手いなあって思った。

    だからもう、彼は話の脈絡なんか追えてないんだよ。検事は夏月の言葉を聞きながら、同時進行で好き勝手に頭の中に妻の言葉がリフレインしちゃうっていう。そういう状態を、これはこういう形で書いているなあ、上手だなあって。

     

    Njさん

    整然としてない。

    なんだっけ、ダイヤと八重子の会話、あの時も、周りの老人とか、自転車に乗った少年とか、あのへんも上手いっていうか。

     

    Nam

    ね~八重子好き?(笑)

     

    みんな

    (苦笑)

     

    Nam

    でもさ、八重子が突破口を開くじゃん?

     

    Njさん

    そうなんだよね。

     

    Nam

    だから、相いれない二人。そして片方は拒否ってる。理解されることを拒否ってる。っていう相手を、力技でこじ開けるじゃん?

    最後の最後に、めっちゃ力技じゃん。

    引かないんだよ、この人。

     

    Saさん

    普通だったら打ちのめされるよね。

     

    Nam

    そう、引かない(笑)

    で、引かないが故に最後に突破口切り開いちゃうんだよね。

    全く、お互い理解しあってないのに。

    もう(笑)「うん」とか言っちゃう。「今度話そうね」で思わず素直に「うん」とか頷いちゃったんだよね。

    だけど、唯一成功してるんだよね。彼女は。八重子。

     

    …八重子嫌いなんだよ、私(笑)

     

    Hさん

    前のね、八重子に「お願い」って言った先輩は駄目だったけどね。

     

    Nam

    そうそうそう。

    でも、八重子は構わずにさ。

     

    Saさん

    あれだけ拒否られたらね?打ちのめされそうなものなのに。

     

    Nam

    しかも、「理解したい」とか言いながら、理解する風も無く、自分のことばっかりバンバンバンバンぶつけてさ「あたしだって辛いのよ」って(笑)

     

    Hさん

    八重子もどちらかと言ったら、家に帰ったら両親が自分のことを理解してくれないとか、八重子もちょっと少数派っぽい立ち位置に書いてあるのかな。

     

    Kさん

    こいつはまだ…こいつって言っちゃった(笑)

    八重子はまだ、大学生だからいいんじゃないのかなって思いました。

    これでもう社会人とかなってて、その考え方だったらヤバそうだけど、大学生でこういう経験をしたんだったら、良い成長になるんじゃないかなあ、って思いました。

     

    Nam

    だけど、

    「また話そうね?私のことも繋がりにいれておいてね?」

    「うん」って頷いちゃうっていう、素直に。

    やっぱ勢いの勝ちだ!って思って(笑)

     

    Njさん

    読んでてちょっとこいつ嫌だなあ…とか思う人の描き方が上手、と思った。

    夏月の前の店にいる沙保里の描き方も、読んでてちょっと頭にくる(笑)

     

    Hさん

    読んでてちょっと嫌だよなあ~とは思うよね。沙保里はね。

     

    Njさん

    今の八重子の話もね、最初は「もうやめて~」ってダイヤに感情移入してしまってさ。ほんと、力技で押し切られたっていう(笑)

    で、なんか力技のあたりから、何か「そうかそうか、いいのかな?」って思ったりして。

    なんかでもそういうのが上手かなあって思って。

     

    Hさん

    あの、同窓会の後に夏月と良く連絡を取るようになった西山亜依子、割と子供を預かってっていう、愚痴をこぼす相手として夏月を選んで連絡を取るようになってきたとか、あの関係性もすごくその…この界隈では夏月みたいな人に色々言うのはすごく便利なというか、そういうところで重宝がられてるみたいな書き方をされてたけれども、なんかそういうところはリアルっていうか、有りがちな感じかなあって。

     

    Saさん

    確かに、「いそうな人たち」

     

    Hさん、Njさん

    「いそうな関係」っていうかね?

     

    Saさん

    同級生とか、亡くなっちゃった、ああいう人もいるよね?

     

    Hさん

    検事の奥さんが医者をずっと見てきたから、「医者だろうが検事だろうが、難しい仕事についてる人でも内臓はみんな一緒だし」、っていうくだりがあったじゃない?あれもなんか上手いなって思った。

    「検事ってことで、自分を敬遠する人が多いけど、君は自分を敬遠しなかったね?」って言ったら、「長年看護師として人を見てきたから、そういう難しい仕事をしている人でも、やっぱり一緒なんだよね~」っていうところが。

    人間観察眼は、面白いところがあるのかなあ~って、ちらっと思ったけどね。

     

    Nam

    上手いのは、最も正しく、正義の位置にあるこの検事、いわゆるクィア達を大上段から切り捨ててしまうようなこの検事が、奥さんが涙を流すことに興奮するっていう、ちょっと変態っていうさ(笑)

    でも、奥さんであるし、密室の中のことだから、誰にもバレないし、誰にも糾弾されないけれども、でもちょっとそういう「変態」染みた傾向を持っているっていう、こういう設定上手だって思う。

     

    Hさん

    涙も水だよね。

     

    Saさん

    そうね、そうか、繋がりがある。

     

    Nam

    で、それで完全な性的快感を得るっている、まあ、変態じゃん?

     

    Saさん

    誰でもね、結局。

    この2/3は多数派だけど、2/3×2/3は少数派になるっていうとこあったよね?それがけっこう頭に残ってて、多数派の多数派は少数派なんだって。

    だから、誰もが少数派的なものは持っていて、決してマジョリティーだけじゃないっていうね。

     

    Nam

    でもね、それは完全に多数派の意見なんだよ。

    多数派の立ち位置にいる人からの意見であって、これが少数派から言わせると、それは全然違うよっていうことになるんだよね。

    だってさ、その人たちっていうのは、「そこ」に立ってるんだよ。その狭いところに立ってるの、両足で。

    で、社会の中で、男女が恋愛して、結婚して、子供を持つ、っていうことが、社会の構造になってる。それが、社会の単位になってる。

    もちろん、今は独身の人も多くなってきて、昔ほどではないにしても、その構造からどうしてもはじき出されてしまう人からしたら、どうしようもない疎外感を感じるらしいよ?

    そこが全てじゃないじゃない?って言っても、人の中に出ていけば、こっち側の正義で疑いもせずに当然でしょって話をもってこられる(ここからちょっと長々とLGBTQの人の話とかしてしまっていますので、省略します)

    報告その2につづく→ 

  • 第17回ヒカクテキ読書会「雪沼とその周辺」のお誘い

    11月10日夜7時半より
    堀江敏幸「雪沼とその周辺」


    選者さんは「あまり盛り上がるようなものじゃないんだよね」と心配されていましたが、きっと大丈夫!
    「何ということも起きないけど、何かイイ」そうなので、みんなでしみじみ浸りましょう。

    それでは、「読んでも読まなくてものぞくだけでも大丈夫!飲み物片手に気楽にどうぞ」

    zoomはこちら↓

    https://us06web.zoom.us/j/6751269405?pwd=gQxriXgpkKDR2t9dhQsQkQYPzEdIeI.1&omn=87368911695

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  • 第五回ヒカクテキ古典部(雨月物語2)のお誘い

    10月27日午後7時半より
    上田秋成「雨月物語」より「吉備津の釜」後編

    前回は、上田秋成の一筋縄ではいかない凄みのある「序文」と、「吉備津の釜」前半をやりました。

    今回は、いよいよクライマックスの後編です。
    前回いらっしゃらなかった方は、ブログにあっぷしてあるヒカクテキ古典部予習用 吉備津の釜
    「青空文庫」などで、現代文を簡単に読んでいただけると当日楽かもしれません。

    もちろん、読まなくても大丈夫です。

    それでは、飲み物片手にお気軽にご参加お待ちしております。

    zoomはこちら↓

    https://us06web.zoom.us/j/6751269405?pwd=gQxriXgpkKDR2t9dhQsQkQYPzEdIeI.1&omn=83050350849

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  • 「みんなでワイワイ思い出話をしよう会」のお誘い

    10月19日(土)19時半より
    先日は10月20日(日)と申しましたが、事情により変更となりました。

    先日の同窓会総会の中でもご案内しましたが、みなさんで金原先生の思い出話や、その他学生時代の思い出話などのあれやこれやを楽しく、飲み物でも片手にくつろいでやろうという会です。

     
    Zoomを使用しての会になります。
    お時間がおありの方は、是非とも年代を問わず、お気軽にご参加ください。
    ──────────

    参加 Zoom ミーティング
    https://us06web.zoom.us/j/6751269405?pwd=gQxriXgpkKDR2t9dhQsQkQYPzEdIeI.1&omn=82752653345

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  • 溝渕園子先生 著書のご紹介

    第三回同窓会でご講演いただきました、広島大学大学院人間社会科学研究科教授でいらっしゃいます、溝渕園子先生(1999_2007熊大比較文学にご在籍)の著書を紹介させていただきます。

    006-7

    過去と現在や自国と他国のあいだを越境する言葉によって文学は新たな視野をひらきつづけてきた。
    他者を取り込む〈翻訳〉という行為をキーワードに、
    夏目漱石、太宰治、小山内薫、芥川龍之介、宮本百合子から三島由紀夫、村上春樹、水村美苗などを読み解き、
    日本文学とロシア文学の相互作用に光をあて
    新たな文学誌を浮き彫りにする比較文学の論考。現在や自国と他国のあいだを越境する言葉によって文学は新たな視野をひらきつづけてきた。
    他者を取り込む〈翻訳〉という行為をキーワードに、
    夏目漱石、太宰治、小山内薫、芥川龍之介、宮本百合子から三島由紀夫、村上春樹、水村美苗などを読み解き、
    日本文学とロシア文学の相互作用に光をあて
    新たな文学誌を浮き彫りにする比較文学の論考。

    詳細はこちらから
    〈翻訳〉の文学誌(溝渕園子 著) (gunzosha.com)

  • 関口時正先生のご講演と新刊のご案内

    〇関口時正先生のご講演

    生者と死者、物質と非物質、私と私でないものをつなぐ言葉 ― ヘルベルトの詩の世界

    10月14 15:00 – 16:30 イタリア文化会館

    1924年にリヴィウ市(現在のウクライナ)で生まれ、1998年にワルシャワで没したズビグニェフ・ヘルベルトは、20世紀後半のポーランド語文学を代表する詩人の一人です。何回もノーベル文学賞の候補にあがったことがありますが、残念ながら日本では知られていません。この詩人の生誕100年にあたる今年、初めて詩集の日本語訳が出版され、その豊かな詩の世界をのぞくことができるようになりました。本イベントでは翻訳者自身が詩集を解説します。
    ↓リンク
    生者と死者、物質と非物質、私と私でないものをつなぐ言葉 ― ヘルベルトの詩の世界 | イベント | ヨーロッパ文芸フェスティバル2024 (eulitfest.jp)

    〇関口時正先生の新刊

    「ヘルベルト詩集」未知谷2024年9月26日
    ズビグニェフ・ヘルベルト(著)、関口時正(編集、翻訳、解説)

    ヘルベルト詩集

    →Amazon

  • 令和6年度第3回熊本大学比較文学研究室同窓会総会のお礼

    各 位

     去る10月6日、皆様のおかげをもちまして、令和6年度第3回熊本大学比較文学研究室同窓会総会を、無事に終えることができました。

     故金原理先生の追悼企画では、追悼動画の中で懐かしい先生のお姿を偲び、西成彦先生、西槇偉先生、溝渕園子先生からは、金原先生との心温まる思い出を語っていただきました。また、皆さま方には、たくさんの追悼文を送っていただき、大変心のこもった追悼企画となりました。

     溝渕園子先生の講演では、カザフスタンの作家セイセンバエフの作品の翻訳に関するお話をいただき、核の問題を通して日本人にもかかわりの深い作家であることも知りました。比較文学研究室の同窓会ならではのお話をお聞きし、知見を広げさせていただきました。
     先生を囲んでの懇談は、お集まりの皆さまの活発なご発言と、先生の丁寧なご対応のおかげで、楽しく充実した内容となりました。

     皆様のご参加とご協力のおかげで、比較文学研究室の同窓会らしい、中身のある心のこもったなごやかな会となりました。心より感謝申し上げましす。ありがとうございました。

     まだまだ、改善点もございますが、、新たな企画等も交えながら、第4回の同窓会を開催を目指していく所存ですので、今後とも、皆さまのご理解とご協力をを賜りますようお願い申し上げ、今回のお礼といたします。大変ありがとうございました。

    令和6年10月9日(水)

           熊本大学比較文学研究室同窓会  幹事代表 中島哲哉

      

  • 西成彦先生の3つの新刊をご案内


    ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち 声のざわめき 
    2024/9/26洛北出版
    ハーンの耳

    「1993年の『イメージ・コレクション・シリーズ』(岩波書店)の一冊を、1998年に岩波ライブラリー版として多少増補して出したままになっていた『ラフカディオ・ハーンの耳』の今度は『決定版』を、ハーンの没120年にあたる今年をめがけて出してみようということだった。

    他社の出版物の装丁なども積極的に手掛けておられる竹中尚史さんが意気に感じて、図版なども大幅に強化して下さり、400頁に及ぶ一冊になる。ハーンの命日である9月26日までには書店にも並ぶだろう。」
    複数の胸騒ぎ Uneasinesses in plural by Nishi Masahiko

    洛北出版
    『ラフカディオ・ハーンの耳、語る女たち――声のざわめき』 西成彦 | 洛北出版 (rakuhoku-pub.jp)

    ハーンの耳開き


    ユダヤ文化事典 
    2024/8/2(日本ユダヤ学会編、編集代表:市川裕、丸善出版)
    ユダヤ文化辞典

    「私は以下に掲げる『13章:映画・文学・演劇』のなかの『***語圏文学』のあたりの組み立てと執筆者数名の人選と、『16章:記憶と物語』のなかの『ホロコーストと文学』の項目執筆を担当した……」
    複数の胸騒ぎ Uneasinesses in plural by Nishi Masahiko

    丸善出版
    ユダヤ文化事典 – 丸善出版 理工・医学・人文社会科学の専門書出版社 (maruzen-publishing.co.jp)

    Amazon
    ユダヤ文化事典 | 日本ユダヤ学会, 市川 裕, 市川 裕 |本 | 通販 | Amazon

    ザッハー=マゾッホ集成全三巻 
    2024/9/30
    (平野嘉彦・中澤英雄・西成彦編訳、人文書院)
    マゾッホ集成

    「マゾッホは、ロシア人やポーランド人よりもウクライナ人(彼は『ルーシの人』と呼ぶ)やユダヤ人に親近感をいだくドイツ語作家だったが、その微妙な力学に敏感な彼であればこそ、いまにもつながるウクライナの『混成性』が彼の眼には見えていた。オーストリアのドイツ語作家だったこととそれがどうつながるのかは、皆さんに判断をゆだねたいが、ひょっとするとドイツやオーストリア、あるいはウクライナ以上といってもよいほど、マゾッホ好きの多い日本で、今度の三冊がどう受け止められるか、楽しみでならない。」
    複数の胸騒ぎ Uneasinesses in plural by Nishi Masahiko